債務整理の方法として、個人再生を選択するべき人とは?

ゆき
個人再生の内容についてはだいぶ理解できました。各種の債務整理方法の中で、個人再生を選択するべき人は、どのような人ということになりますか?
しんじ先生
では、個人再生のまとめとして、個人再生を選ぶべき人を簡潔に説明しておきましょう。

元金を圧縮したい人

任意整理や特定調停では、将来の利息カットには応じてもらえますが、もともと借り入れした元金部分をカットすることには、応じてもらえないことが普通です。

しかし、個人再生では元金部分まで減額が可能です。

財産を処分したくない人

自己破産では、財産は処分され、代金は債権者の配当となります。債務者が処分する資産を選ぶことはできませんし、特定の資産だけをはずしてもらうこともできません。

しかし、個人再生では財産の処分は不要です。処分したくない資産を維持できます。

住宅だけは残したい人

自己破産は、住宅ローンも他の債務と同じに扱われますので、住宅ローンだけは支払い続けるということは認められません。その結果、住宅は競売にかけられます。

他方、個人再生ならば、住宅資金特別条項制度(住宅ローン特則)の利用で住宅を残すことができます。

免責不許可事由がある人

自己破産では、債務の原因がギャンブルや浪費である場合、その程度が著しければ、免責不許可事由があるものとして免責を受けられないことがあります。

しかし、個人再生では借金の原因は問題にならないので、ギャンブルや浪費による債務でも手続を利用できます。

もっとも、個人再生は分割払いを認める手続ですから、確実に返済計画を実行できるかが問われます。

ギャンブルや浪費の癖が治っていなければ、再生計画を実行できないと評価されてしまいますので、申し立て前から、ギャンブルや浪費を改めておく必要があります。

職業制限を回避したい人

自己破産の場合は、免責されるまで、一定の職業に就くことが制限される場合があります。弁護士、公認会計士、税理士、宅地建物取引士、警備員などです。

他方、個人再生には、このような制限はありませんから、一時的にでも資格を失うことを回避したければ、個人再生の選択を検討することになります。